流山市空き地の雑草等の除却に関する条例違反の代執行の事例

事案の概要

 

  千葉県流山市においては、かねてより、空き地の管理不全に起因する雑草の繁茂に対して、市民から多くの苦情が寄せられていた。そこで、「市民の良好な生活環境の保全」を確保することを目的に、平成24年3月に、「流山市空き地の雑草等の除去に関する条例」を制定し、同年7月に施行した。市内の住宅地にある約138㎡の空き地に雑草が繁茂しそれが放置される状態となっていたため、市長は、条例に基づいて、これを刈り取るよう、所有者を訪問して口頭で指導したほか、文書による指導・勧告、さらに、命令を発した。ところが、義務者がこれを応じなかったことから、雑草刈取りの代執行を実施した。

 

実施主体

 流山市

 

義務者

 当該空き家の所有者

 

対象物件

 管理不良状態に放置された空き地に繁茂している雑草

 

命令の原因となった法令違反

 流山市空き地の雑草等の除去に関する条例3条

 (適正管理義務違反)

 

実施時期

 平成24年11月14日

 

代執行に要した費用および回収状況

 代執行費用:約49,000円(委託業者による雑草刈取り)

 回収状況:回収している

 

刑事告発等

 特になし

 

本件代執行の特徴

  条例の施行が平成24年7月、行政代執行が同年11月というように、本件対象物件は、条例制定前から「狙われていた」といえる。別に紹介する秋田県大仙市の行政代執行もそうしたケースであった(1、2、3事件参照)。このような場合には、行政代執行をすることを念頭に置いて、条例づくりがされることになるのだろう。

  本条例の特徴は、生活環境への支障の発生というような実害要件を命令要件に含めず、「雑草等が繁茂し、又は放置されている状態」という「管理不良状態」(2条4号)のみを要件にしていることである。しかし、そのような状態にある空き地は、おそらく多く存在することから、「命ずることができる」という効果裁量でバルブの調整をしているのである。本件が行政代執行に至ったため、今後は、平等原則との関係で、ほかの案件についての処理にも影響が現れるように思われる。